第5回 かわはぎ    2000/12/28

かわはぎ

 本州の中部以南から中国の広東省沿岸あたりまで広く分布しています。大きさは25 〜30pぐらいになるいそ魚で、地方によっては「はげ」「きんちゃく」「ばくち」など と呼んでいます。
口がとがっていて皮はやすりようようにざらつき、背びれが1本角のように突き出ています。皮が大変堅いので皮をはいでから使うのでこの名があります。

  また、かわはぎの仲間で大変よく似た「うまづらはぎ」は、顔が馬の頭のように長いところからきています。店頭では皮をむいてかわはぎとして売られていますが、味はかわはぎより落ちます。  身が締まって淡泊で、癖がありませんから大変食べやすい魚です。特に肝臓はふぐに似ておいしいものです。


  秋から冬にかけて出回ります。 買い方  店頭では皮をはいで売られていることが多いようですが、家庭でも簡単にむけますから皮つきのものを求めたほうが新鮮です。
調理のコツ
  どの料理に使う場合も皮とわたは必ず取ります。
食べ方
  味に癖がないのでちりなべみそ汁の実煮付け蒸し物などのほかに、から揚げ衣揚げにもします。また肝臓は煮物やなべ物に入れますが、肝臓だけを煮付けた物を昔から酒のさかなとして珍重されています。

【かわはぎのすっぽん煮】
【材料・4人分】
かわはぎ  4尾 赤唐辛子  2本
焼き豆腐  1丁 煮汁  1/3カップ
長ねぎ  4本 塩小さじ1
大根  5p

 

【作り方】
@かわはぎは皮をむいてわたを出し、塩水で洗い、水けをふき取る。
A焼き豆腐は8つのやっこに切る。
B長ねぎは5pのぶつ切りにする。
C大きな平鍋に煮汁の材料を入れ、かわはぎを表になるほうを上にして焼き豆腐と並べ入れ、アルミ箔の落としぶたをして中火で蒸し煮にする。
Dかわはぎに九分通り火が通ったら落としぶたを取り、仕上げに長ねぎを入れて一煮立ちさせ、しばらく蒸らす。
E大根は切り口に菜ばしで穴をあけ、種を抜き取った唐辛子を詰めてすりおろす。
F器にDを盛り合わせ、Eを添える。

 メモ  すっぽん煮とは、すっぽん料理に酒を多量に使うところから、調理に酒を多く用いる料理をいいます。

 

【かわはぎのかぶら蒸し】
【材料・4人分】
かわはぎ  4尾 くずあん=だし汁カップ1
かぶ  大3個 みりんカップ1/4
こんぶ(10p長さ)  4枚 薄口じょうゆ大さじ2強
卵の白身  1個分 片栗粉大さじ1弱
あさつきの小口切り  少々
【作り方】
@かわはぎは皮をむいてわたを出し、洗って水けをふき、軽く塩をふる
Aかぶはすりおろしてカップ1用意し、軽く水けをきり、白身をよく溶いて混ぜる。
B器にむれぶきんでふいたこんぶを敷いて@をのせ、Aをかけて蒸し器で約15分蒸す。
C出し汁と調味料を煮立て、片栗粉の水溶きを加えてくずあんを作る。
DBにCのあんをかけ、あさつきを散らす。?