第13回 【タイのレシピ】    2002/5/24

たい(鯛)
 たいは一年中おいしく、昔から腐ってもたいといわれるほど日本では珍重さ れ、めでたいという言葉に通じるところから、祝い膳には必ず尾頭つきでのり、 お正月にはにらみだいといって三が日手をつけずに眺めて祝うなど、おめでたいものに使われます。
  種類も多く、日本では「真だい」「黄だい」「ちだい」「黒だい」などがおも なものです。
 〈真だい〉たいの中では一番大きく、50〜80pにもなりますが、おいしいのは目の下一尺といわれる50pぐらいのものです。どんな料理にも合い、頭から 骨まで捨てるところがありません。関西では「本だい」といって他のたいと区別しています。また小さいたいを「春子だい」といってみそっかすのかす子を「春 子」という字をあててめでたくしています。なお、瀬戸内海でとれる真だいが有 名ですが、鳴門の「浮きだい」は渦潮によって深海から押し上げられ、浮き上がるところから、有名な産物になっています。
 〈黄だい〉体全体が黄色みを帯び、背の部分に黄色の斑点があります。関西では 「れんこだい」といって真だいより安く、遠洋物が冷凍されて出回っています。 やや風味に乏しいので、焼きねぎ、白滝、しいたけを入れたうしおなべにすると おいしい。
 〈ちだい〉味、姿とも真だいに似ていますが、全体に薄く、きれいな薄い紅色で、大きさも20〜40pと小型です。産卵期は秋なので、真だいが産卵期をおえて味がおちるころにちょうどおいしくなります。
 〈黒だい〉真だいにはかないませんが高級魚の一つです。昔は大阪湾のことを「ちぬの海」といい、黒だいがよくとれたところから黒だいを「ちぬ」とも呼びます。灰黒色 の25〜35pぐらいの大きさです。

  産卵期の春先が一番おいしく、この時期の真だいはきれいな紅色にな るため「桜だい」といって珍重されます。産卵後のたいを「麦わらだい」といっ て味が落ちます。 

食べ方  姿のままでは塩焼き、蒸し物などにして形の美しさも味わいます。あ らい、さしみ、うしお汁、また頭を使うかぶと焼き、かぶと煮など、あらゆる料 理に合います。

たいのさしみ 
【材料】 4人分
材      料

分      量

たいのおろし身  1/4身分(1節)
大根 5〜6p
青 じその葉 4枚
わさび 適量
【作り方】
@たいのおろし身は皮のほうに縦に切り目を2本,厚みの1/3ぐら いまで入れて絞ったふきんをかぶせ、熱湯をまんべんなくかけてすぐ氷水でさま し、水けをふいて冷蔵庫で冷やす。 

A大根は皮をむいてかつらむきのせん切りにし、水に放してピンとさせる。 

Bわさびは葉つきのほうから目の細かいおろし金ですりおろし、あればきゅうり で器を作って入れる。 

C@のたいは食べる直前に引き作りで1人5切れになるように切る。 

D器に水けをきったAの大根のけんを盛り、青じその葉を立てかけてたいを並 べ、おろしわさびを添える。

たいの頭の木の芽焼き

【材料】 4人分
材      料

分      量

たいの頭  2尾分
木の芽 20枚
八方出し 出し汁カップ2  みりん、薄口じょうゆ各カップ1/4
【作り方】
@バットに八方出しの材料を合わせておく。 

Aたいの頭はうろこが残っているようなら取り、縦半分に割って水洗いし、水け をふいて@に20分ほどつける。 

Bたいの頭は汁けをきって金ぐしを打ち、胸びれはアルミ箔で包み、強火で表側 から焼き、六分通り火を通して裏返す。 

C八分通り焼けたら残った八方出しをかけてあぶり、乾いたらもう一度かけて焼 き上げ,熱いうちにくしを回しながら抜く。 

D器にたいの頭を盛り、木の芽をあらく刻んでのせる。

小だいのごまだれ焼き

【材料】 4人分
材      料

分      量

小だい  4尾
青 じその葉 4枚
木の芽 適量
ごまだれ あたりごま大さじ2
しょうゆカップ1/2
【作り方】
@小だいはうろこ、えら、わたを取り、水洗いして水けをふく。 

A@の小だいの背側から中骨の両側に包丁を入れて尾をつけたまま中骨をはず し、尾を背の中に折り込むようにしてつまようじでとめる。 

Bごまだれの材料をすりばちに入れてよくすり混ぜる。 

CAの小だいに金ぐしを打ち、強火の遠火で盛りつけるとき表になるほうからひ れを焦がさないように(アルミ箔で包んでもよい)焼き、途中でくしを回して六 分通り焼けたら裏返す。 

D八分通り焼けたらはけでごまだれを塗ってあぶり、乾いたらまた塗る。これを 2〜3回くり返して焼き上げ、熱いうちにくしを回しながら抜く。 

E器に青じその葉を敷いて小だいを盛り、木の芽を添える。 メモ  あたりごまがなければ白ごま大さじ4をいってよくすります。

たいの木の芽入り黄身焼き 

【材料】 4人分
材      料

分      量

たい 4切れ
木の芽 10枚
卵の黄身 2個分
笹の葉か青じその葉 4枚
酢どりしょうが 4本
【作り方】
@木の芽はしごいてたたき、卵の黄身と混ぜる。 

Aたいは小骨があれば骨抜きで抜き、2切れずつ並べて金ぐし2本を末広に身の ほうから焦がさないようにときどきくしを回しながら焼き、六分通り火が通った ら裏返して焼く。 

Bほとんど火が通ったところで身のほうにはけで@の黄身をたっぷりと塗って乾 かし、熱いうちにくしを回しながら抜く。 

C器に笹の葉を敷いてBのたいを盛り、酢どりしょうがをあしらう。

小だいの油焼き

【材料】 4人分
材      料

分      量

小だい 4尾
マッシュルーム 16〜20個
レモ ンの輪切り 4枚
小麦粉 適量
サラダ油 大さじ2
バター 大さじ3
【作り方】
@小だいはうろこ、えらを取り、盛りつけたとき裏になるほうに切りめ を入れてわたを出し、水洗いする。 

A@の水けをふいて表側に斜め十文字の切り目を入れ、両面に軽く塩、こしょう をして小麦粉をまぶし、余分な粉をはたき落とす。 

Bマッシュルームは石づきを取る。 

Cフライパンにサラダ油、バター各大さじ1を熱してAの小だい2尾を表側を下 にして入れ、きれいな焦げ目がついたら裏返して焼き、なべをゆすりながら焼い て中まで火を通す。残りも同様に焼く。 

DCのフライパンをきれいにふいて残りのバターを熱し、マッシュルーム、レモ ンの順に入れてサッといため、塩、こしょう各少々で調味する。 

E器に小だいを盛ってDのレモンをのせ、マッシュルームを添える。

たいのあら炊き

【材料】 4人分
材      料

分      量

たいのあら 2尾分
ごぼう 1本
木の芽 適量
小麦粉 適量
米の とぎ汁 煮汁 出し汁カップ1
 しょうゆ、砂糖、
みりん各カップ1/2 
【作り方】
@たいのあらは食べやすい大きさに切って皮側を上にしてざるに並べ、 熱湯をまんべんなくかけ、水の中で残ったうろこや血合いを取り、水けをきる。 

Aごぼうは包丁の背でこそげ、5〜6p長さに切って太い部分は縦半分にし、米 のとぎ汁で柔らかくゆで、水で洗う。 

Bなべに煮汁の材料を煮立ててAのごぼうを敷き、上に@のあらを並べる。 

C煮立ったらあくをていねいにすくって落としぶたをぬらしてのせ、中火で煮汁 がほとんどなくなるまで、ときどきなべを傾けて煮汁をすくいかけながら甘辛く 煮て味をしみさせる。 

D器にあらとごぼうを盛り合わせ、木の芽を天盛りにする。

たいのけんちん煮

【材料】 4人分
材      料

分      量

たいの頭、中落ち 各1尾分
焼き豆腐 2丁
小 松菜 1株
煮汁 出し汁かっぷ1 1/3
酒大さじ4
塩小さじ2
薄口じょうゆ適量
【作り方】
@たいの頭は縦半分に割って食べやすい大きさに切り、中落ちも適当に 切ってざるに並べ、熱湯をかけて、水の中で残ったうろこや血合いを取り、水け をきる。 

A焼き豆腐は手で大きめにちぎる。 

Bなべに煮汁の材料を煮立てて@の頭と中落ちを入れ、あくをすくってから焼き 豆腐を加え、再び煮立ったら中火より弱めの火にして味がなじむまで煮る。 

C小松菜は塩ゆでにして5p長さに切る。 

D器にBを盛って煮汁をかけ、Cの小松菜をのせる。

小だいのから揚げ

【材料】 4人分
材      料

分      量

小だい 4尾
キャベツ 2枚
おろし大根 カッ プ1
赤唐辛子 少々
かたくり粉 適量
揚げ油 甘酢 酢、みりん各大さじ2〜3
塩少々
【作り方】
@小だいはうろこ、えらを取り、盛りつけたとき裏になるほうに切り目 を入れてわたを出し、水洗いして水けをふき、裏側の背びれに沿って隠し包丁を 入れる。 

Aキャベツはざく切りにしてしんなりする程度にゆで、甘酢につける。

B@に軽く塩を全体にふり、かたくり粉をガーゼに包んで腹の中までまぶし、余 分な粉をはたき落とす。 

C油を中温(170度)に熱してBの小だいを時間をかけてカラリと揚げる。 

Dおろし大根は軽く水けを絞り、赤唐辛子は種を抜いて薄い輪切りにする。 

E器に揚げたての小だいを盛り、キャベツとDを添え、しょうゆをかける。

たいのくずあんかけ

【材料】 4人分
材      料

分      量

たい 4切れ
あさつき 2〜3本
かたくり粉 適量
揚 げ油  
くずあん 出し汁カップ1
みりんカップ1/4
しょうゆ大さじ2 1/2
かたくり粉大さじ1
【作り方】
@たいはふきんで水けをふいてかたくり粉をまぶし、余分な粉をはたき 落とす。 

A油を中温(170度)に熱して@のたいを入れ、揚げすぎないようにしてカラ リと揚げる。 

Bなべにくずあんの出し汁、みりん、しょうゆを煮立てて、かたくり粉を同量の 水で溶いて流し入れ、とろみをつける。 

Cあさつきは小口切りにする。 

D器に揚げたてのたいを盛ってくずあんをかけ、あさつきをのせる。

小だいの南蛮づけ

【材料】 4人分
材      料

分      量

小だい 4尾
長ねぎ 1本
かたくり粉 適量
揚げ 油  
南蛮酢 酢カップ3/4
しょうゆ、出し汁各大さじ2
赤唐辛子1本
【作り方】
@小だいはうろこ、えら、わたを取り、水洗いして水けをふき、背側か ら中骨の両側に包丁を入れて尾をつけたまま中骨をはずし、尾を背の中に折り込 むようにしてつまようじでとめる。

A南蛮酢の赤唐辛子は種を抜いて小口切りにし、あとの材料はなべに合わせて火 にかけ、煮立つ直前に火からおろして赤唐辛子を入れ、さます。

B@の小だいにかたくり粉をガーゼに包んでていねいにまぶし、余分な粉をはた き落として少しなじませつる。 

Cたっぷりの油を中温(170度) に熱して小だいを1尾ずつ入れ、時間をか けてAの南蛮酢に入れて5〜6時間つける。 

D長ねぎは5p長さに切ってサッと焼き、Cの魚の横に入れ、30分ほどつけて 味をしみさせる。 

Eうつわに小だいを盛って長ねぎを添える。

たいの骨蒸し

【材料】 4人分
材      料

分      量

たいの頭 2尾分
木の芽 適量
こんぶ(10p角) 4枚
合わせ汁 こんぶ出しカップ1
酒カップ2
塩小さじ1 1/2
【作り方】
@たいの頭は縦半分に割って水洗いし、薄塩をして10分ほどおく。 

Aこんぶはぬれぶきんで両面のよごれをふき取る。幅の狭いものなら8枚用意す る。 

Bたいの頭を水でサッと洗ってざるに皮側を上にして並べ、熱湯をまんべんなく かけて水の中で残ったうろこや血合いを取る。 

Cなべに合わせ汁の材料を合わせて火にかけ、一煮立ちさせる。 

D一人用の深めの器にこんぶを敷いてたいの頭を入れ、Cを等分にかけて蒸気を 上げた蒸し器に入れ、ふたの間にふきんをはさんで強火で20分ほど蒸す。 

E蒸したてのDに木の芽をのせ、汁とともにいただく。 コツ  魚の蒸し物は火が弱いと生臭くなるので必ず強火で蒸します。

たいのうしお汁

【材料】 4人分
材      料

分      量

たいのあら 1尾分
わけぎ 1/4わ
木の芽 4 枚
【作り方】
@たいのあらは大きめに切って水洗いし、ざるに皮側を上にして並べ、 熱湯をまんべんなくかけて水の中で残ったうろこや血合いを取る。

Aなべに@のあら、水カップ4を入れて火にかけ、煮立つ直前に火を弱めて浮い てくるあくをていねいにすくい、途中でもあくをすくって12〜13分静かに煮 出す。

Bわけぎは5p長さに切る。

Cあらのうまみが出たら酒大さじ3,塩小さじ1強で吸い味をつけ、わけぎを加 えて 一煮し、火を止める。

Dわんにあらを盛ってわけぎを添え、汁をはって木の芽を吸い口にのせる。 コツ ・ あらは必ず熱湯をかけ、水の中できれいに洗い,水から煮ます。 ・ 澄んだ汁にするためにあくはていねいにすくい、弱火で静かに煮出 します。